★2003年11月22日（土）

目が覚めたら9時半だった。PHSでアラームセットしていたのに、マナーモードのままに
だったため、音が鳴らなかったのが原因。でも電話もなかったということだ。
大急ぎで支度をして10時に出発。

朝ごはんを食べたかったけど、とりあえず現場近くに行ってから、と地下鉄に乗って、
香港公園のある金鐘へ。
とりあえず、駅からつづいている大きなショッピングモール・パシフィックプレスに行ってみた。
やっぱりスターバックスがある。香港でスタバとは悲しいけど、それでも困ったときのスタバ。
安心して飲み食いできる。コーヒーとマフィンで軽く朝食。

結婚式をする登記所がある香港公園はパシフィックプレスの裏側なのだけど、公園への
入り口が見つからない。矢印があってもあまり当てにならないのだ。
式は11時15分からだったけど、どんどん時間が過ぎて10時45分ぐらいになってしまった。
そしてやっと高等裁判所の後ろに回りこむ坂を登ったら公園に沿った道で、入り口発見。
中に入って園内地図を見て結婚登記所の場所を確認した。

公園の入口を指す標識		実はこんなに広い公園内

そこまで行くと、たくさんの人がいて、みんな写真を撮っていた。「いた、いた」と思ってよく
見たら全然違うカップル。あらら・・・
今日はお日柄がいいらしく、次々とウェディングドレスを着たカップルが現れる。（ここにいる
1時間ぐらいの間に5,6組見た！）

まだ少し時間があったので公園の中を歩いてみた。そしてなんだかわからないけど、高い
塔があったので登ってみた。天気がよかったせいもあって、公園は人でいっぱい。
そして結婚登記所の前もほかの結婚式の人や見物の人が大勢いて、果たして時間になって
Rさんたちに会えるのだろうか、と不安になってきた。

公園内の様子。左下の写真が結婚登記所の建物。

11時10分ごろ、人ごみの中、Rさんたちの顔を見つけた。よかったー！　聞いてみたら、
私からの伝言は入っていなかったと言われてしまった・・・2回も電話したのに。

みんなで中に入ると、狭い廊下の右手にいくつか部屋があり、一番奥にウェディングドレスを
着た今日の主役Mさんがいた。新郎のCTさんにもあいさつをし、みんなで順番に写真撮影。

それから別室に通されると、そこは観客席つきの会議室、という感じ。
広い大きなテーブルには契約に使うようなペンやファイルが置いてあり、私たちは後ろの
観客席のようなところに座った。

結婚の儀式が行われる部屋

しばらくすると新郎新婦の登場。2人はテーブルの方にすわり、向い側に2人のお父さん、
そして正面には係の人。2人は指輪の交換や誓いのことば、誓いのキス、そして誓約書に
サイン、と教会で神様の前でやるようなことをやった。神様に向かって誓うわけでないところが
いいな。
誓約書のサインは新郎新婦だけでなく、お父さん2人もしていた。確認が終わると、係員が
身分証明書を4人に返して終了。ここでまた撮影タイムとなり、ひとしきり撮影が終わると、
みんなで廊下に出て、花道を作って部屋から出る新郎新婦を見送った。

外に出て、もちろんまたまた写真撮影。
香港にはいくつか結婚登記所があるけれど、公園の中で花や緑に囲まれているせいか、
ここが一番人気があり、ずいぶん前から予約しないといけないらしい。
私たちは普段着で行ったのだけど、結婚式に参加する人たちは新郎新婦に近い人という
せいか、わりときちんとした格好の人が多かった。披露宴は普段着でも結婚式はきちんと
した格好のほうがよかったようだ。逆に考えていた私たちはちょっと失敗。いい勉強になった。
そして12時ごろ、いったん解散となった。「また夜ねー」と新婦は手を振って去っていった。

みんなで交代に紀念撮影

私たちはとりあえず昼ごはんを食べようということになり、ガイドブックを開いて店探し。
1人が今夜履く靴を買わなきゃいけないからあまりのんびりしていられない、と言う。
私たちも着替えなければいけないし、いろいろ考えた結果、九龍の方へ戻ることにした。

地下鉄の金鐘駅へ向かう途中、噴水があった。そして、その噴水の中に人が入っていって
いる！
「香港人は物好きだね！」と見ていたら、入っていく道筋がある。
・・・結局私たちも交代で中に入ってみて、写真を撮った。でも水がすごい勢いなので、
かなりびしょ濡れ。特に足元がひどかった。

面白がって入っていったけど、びしょ濡れ！

地下鉄で九龍へ戻り、糖朝へ行ってみた。ところが当然のようにすごい混雑で待っている
人もたくさんいた。待ってる時間はないということで、今度は糖朝の数軒隣にある大排[木當]へ。
ここは座れて、香港風の西洋軽食を頼んでみた。かなり怪しげ。
実は私は大排[才當]が出しているインスタントの鴛鴦[女乃]茶が好きで香港に来ると買い、
香港に行くという人がいると頼み・・・というほど。でも実際にお店に入るのは初めてだった。
出てきた料理は見た目はともかく、思ったよりおいしかった。ただ全体に油っぽかったかな・・・
4人でワリカンした結果、1人80HKドルだった。

店の外観を撮るには近すぎた・・・		店内の様子。ちょっとレトロでいい感じ。
フレンチトースト		ハムサンド
・・・（忘れてしまいました）		フィッシュ＆チップス

食事が一段落したところで、1人は靴を買いに先に出た。
それから私たちはカオルンホテルへ行き、Rさんたちの部屋へ。披露宴のときに持っていく
お祝いだが、香港ではお祝い用小切手があるというのを知り、先に来ていたRさんの友人に
頼んで換金してもらっていた。それを受け取るためだった。
面白いシステムだ。金額は500HKドル。

これが“禮券”というお祝い用小切手

それからちょっと時間があるからHMVへ行こう、ということになった。2人はすでに昨日の
うちに旺角でめぼしいものは買っていたそうで、買い損なったものをHMVで見たいとのこと。
私は今回はどう考えても時間がないので、これが最初で最後のチャンス、と思った。多少
高くてもここで買っておかないと買えないことになりかねない。
久しぶりのHMVで驚いたのは、HMVの前の通りが十字路だったのに、その真ん中に
不自然に歩道が作られて十字路ではなくなっていたこと。さらに中に入るとチャイニーズ
ポップスの売り場が見つからない！　必死に探したら、片隅に細々と売り場が置かれていた。
どういうことだろう！？　自国の流行音楽の売場が縮小されているとは・・・
それでも買いたかったCDは見つかり、Rさんたちも私の好きな哈林のCDを買ってくれて、
無事に買い物終了。
店を出たところで分かれて、私は自分のホテルに戻ることにした。

次の待ち合わせは15時50分にカオルン・ホテルのロビーだったが、このときすでに15時。
荷物を置いて、着替えをして、お祝いの小切手についていたメッセージカードにメッセージを
書き、日本から持ってきた熨斗袋にいれ（実はサイズが合わなくて不恰好になってしまった・・・）
時計を見るとすでに15時半。あわててホテルを出発した。

昨日、私は夜の飛行機だったので参加できなかったけど、ほかの日本人の友人たちは
新郎新婦と会食したそうだ。その席で、新婦が何着も衣装を換えること、結婚式の後、
披露宴の前にもチャイナドレスを着たりすることなど話が出ていて、チャイナドレス姿を
見るためには16時半ごろ会場に行っていなければいけないとのこと。

私たちは4人でタクシーに乗って、会場となった日航ホテルへ。
会場は2階の宴会場、上へ上がってみたがまだ飾り付けの途中で、お手伝いの人以外、
だれもいなかった。
私たちは受付中側の待合用ロビーのイスに座って待っていた。しばらくすると、司会役の
人が来て「新婦は4時半すぎないと来ないから中で待っていたら」と言ってくれた。会場に
入ってみたが、テーブルがたくさん並んでいて、どこに座っていいかわからない。
私たちはやっぱり元の場所に戻って座って待った。

そのうちに新婦のお父さんがいらして、「ケーキでも持ってこさせようか」と言ってくださった。
私たちは感謝しつつ、とりあえずお断りした。（勝手に早く来ているのに気を使って
いただいて申し訳ない・・・）
でも結局お茶を持ってきてくれ、ケーキも持ってきてくれ・・・

ロビーにあった氷の彫刻。 上のハートのリースは新婦の手作り。

新婦が到着したのは17時過ぎてから。これから着替えなので、ずいぶん予定時間を
過ぎていた。そのうち、少しずつ人も集まり始めた。（招待状には17時開場となっていた・・・）
受付も始まったので、私たちも受付をすませることにした。テーブルの上には2人の写真を
あしらった大きな紙のテーブルクロスが敷いてあり、そこに出席者たちがサインをするように
なっていた。
私たちは漢字で名前を書いたものの、よく考えてみたら、普段は会話もメールも英語。
漢字を見ても名前がわからないに違いない・・・そこで横にローマ字でも名前を書いておいた。
それを見てやっと受付の人も私たちの名前がわかり、名簿にチェック。お祝いも渡して、
テーブルの番号ももらって、堂々と中へ入った。

先に着いた人たちは会場入ってすぐのところに用意されたマージャン用のテーブルで
ジャラジャラとマージャンを始めていた！　香港の結婚式ではマージャンをやると聞いていた
けど本当だった！　ナマで見ることができて感激！！
私たちも自分のテーブルに行って、しばらく待った。

やっと新婦が登場。一般でいうチャイナドレスではなく、もう少し違う形。きっと伝統的なもの
なのだろう。
会場はお客さんはほとんどいなかったが、それでもお構いなく、ひな壇の方で儀式を始めた。
イスが並べられ、その前の床にクッションが置かれ、イスには新郎のご両親がすわり、
新郎新婦はひざまずいてなにやらやっていた。友人が「新婦が新郎の両親にお茶を
差し上げるという儀式じゃないか」と言っていた。なるほど。
ひととおり終わると、壇上から新婦がマイクを持って、「写真を撮るわよー、みんな来てー」
私たちは、このときを待っていたからもちろん行ったけど、マージャンをしていた人たちも
途中でやめて写真を撮りに新郎新婦の方へ行った。
その後は「またね」と新婦は去り、私たちは次の衣装を待った。

19時ごろ、香港在住の天津時代の友人（「天津だより」にも登場したことのある韓国人の
Hさん）に電話をするため、会場から出た。うれしいことに市内通話は無料！　ああ、きのう
部屋からかけたのはもったいなかった・・・
無事に連絡がつき、明日一緒に出かける約束ができた。

それから先ほどの待合ロビーでモニターに映った２人の記念写真を見ていると、またまた
着替えて新郎新婦がやってきた。
もう19時を回っていたせいもあって、招待客も続々来場。
席に着いていた友人たちもなぜか（予感がしたのかな！？）出てきた。
そんな中、新郎新婦の後ろからケーキ（１段だけのもので新郎新婦の名前が入っていた）が
ワゴンに乗ってやってきた。どうするのかと思ったら・・・その場でケーキカットが始まった。
ええ、どうして！？　こんなところで・・・というわけでせっかくの写真、カメラの用意が間に
合わない、という情けなさ。
それからまたみんなで順番に写真を撮って、席へ戻った。

披露宴は20時からのはずだったのに始まる様子がない。
20時半を回ったころ、「ハロ〜」とにこやかに登場したのは、香港の歌手で音楽
プロデューサーのAL氏。来るかもしれないとは聞いていたけれど、同じテーブルだったのには
ビックリ。
新婦が子供のころからファンで、そのうちにすっかり親しくなり、今回の結婚のために特別に
曲も作ってくれたという。
「よかった、まだ始まってなかったね。間に合ったよ」と席についた（私のとなりのとなり）。
私たちのテーブルは新婦の友人でレスリーファンかAL氏ファンの集まりで、新婦と仲のよい
AL氏ファンたちは、すでに本人とも顔見知りだったのでとってもなごやかなフンイキだった。
まったくファンではない私はちょっと申し訳ない気持ち。
すごく気さくでいい人だった。

20時45分ごろ、やっと司会の人が出てきて何やら話し出した。広東語なのでわからないけど・・・
最初に2人の子供のころからの写真、それから2人の写真、とスライドで見せてくれて、
21時すぎ、やっと新郎新婦の登場！
新郎新婦それぞれからあいさつ、そして乾杯。その後は台湾の時と同様、一番前に置かれた
家族のテーブルへ・・・と思ったら、座ったのは新婦だけ。新郎はそのままステージ（？）に
残った。
そしてマイクを使って何か言ったと思ったら、レスリー・チャンの“MONICA”がかかった。そして
新婦を再びステージへ呼んで、彼女に向かって、これもレスリー・チャンの“Honestly Love
You”を歌った。感動的！　さらに続いて、レスリーが自分のコーヒーショップの店名にも
したかつてのヒット曲“為[イ尓/心][金重]情”が流れた。これはレスリーの歌そのままが
流れていた。
そして、日本人の友人も含まれていたのだけど、10人ほどの友人たちが1本ずつバラを
持って入場、順番に新婦に渡した。
最後はAL氏。彼だけは2本持っていて、新郎新婦に1本ずつ渡した。その後、新郎が
AL氏からもらったバラを新婦に渡して・・・曲もよかったせいもあり、涙がこぼれた。

そして待望の食事！　日航ホテルに入っているレストラン桃李のものだ。おいしいし、
AL氏のおかげでテーブルもすごく盛り上がった。私も久しぶりに英語を話してしまった。
司会者やそのほかの話はみんな広東語だったけど、AL氏が英語に訳して話してくれたので
内容が大体わかって助かった。
AL氏との会話で印象に残っているのは、3月にもうひとりのスターと一緒にオーケストラと
共演するコンサートがあるという話。目の前にホンハム（香港で大スターがよくコンサートを
開く体育館）が見えていた。「あそこで？」と聞くと、「そう、あそこで」という答え。ホンハムの
ステージに立つスターと同席してるなんて！　と緊張。

料理はSARSの影響だと思うけど、持ってくるとすぐに係の人が取り分けてくれる。
というわけで、写真はほとんどが取り分けたあとの寂しい写真・・・
（写真がぶれてしまったお料理は載せてません・・・）


途中でゲームもあった。これは日本でなら二次会でやりそうな感じ。
結婚するとき、中華圏ではよく[喜喜]の張り紙をするのだけど、大きな紙に未完成のこの
文字が書かれていた。4つの「口」の字がないのだ。そこで、新婦の口紅を使って新郎に
字を完成してもらおう、というゲーム。つまり2人がキスして、新婦の口から移った口紅で
新郎が紙にキスして字を作る・・・薄くて読めない、とか理由をつけて何度キスさせたことか。
もうひとつのゲームはよくわからなかった。新郎が両手を広げて立ち、携帯電話を右手の
袖から入れて移動させて左手の袖から出す、というもの。
その後、テーブルにマイクを移し、来客から何か質問してもらう、というコーナーもあった。
そのうちにマイクがAL氏に回ってきた。彼は「何を聞く？」と私たちに聞いてくれたけど、
とっさで誰もいいアイディアが出なくて、一旦別のテーブルにマイクを回してもらい、
考えた。結局いいアイディアがないままマイクが戻ってきて、AL氏が「XXでいい？」と聞いた
のでみんなでOKしたのだけど、実は何を聞いたか忘れてしまった・・・そして新郎新婦の
答えに満足できず、「罰として何をしてもらおうか」とAL氏、「歌ってもらおうか」と言うので
「それがいい！」とみんなで拍手。ところで、その提案をすると、「じゃあ、ALさんも一緒に」と
いうことになってしまった。「今日は歌わない」と言っていたのに自ら墓穴を掘ってしまった・・・
AL氏もステージに上がり、新郎新婦と3人で、『月亮代表我的心』を歌った。でも、とっさの
ことだったし、伴奏もなく、キーもバラバラ・・・私のテーブルのAL氏ファンたちは「本当の
彼の歌はこんなじゃないから！」と私を説得するのに必死だった（わかってるから大丈夫！）。
お色直しの時には新郎新婦が各テーブルを回って乾杯をする、という、日本でのキャンドル
サービスのようなこともやった。

花嫁の衣装も多彩で、披露宴が始まってからは、最初が白いドレス、次がピンクのドレス、
最後は薄い緑のドレス、とどれも素敵だった。
最後にデザートが出て、それが終わると何の合図もないまま、みんなそれぞれ席を立ち、
気がつけば最後に残ったのは私たちのテーブルだけだった。
新郎新婦とみんなで記念写真をとったり、AL氏のミニサイン会（？）をやったりして、時間は
すでに12時を過ぎていた。
それぞれ泊まっているホテルが違うのでタクシーで帰ることになった。

私が乗った運転手さんはドーセット・ガーデンを知らず、ホテルから持ってきた地図つきの
カードを見せてもよくわからないそう・・・一応英語で会話したけど、やっぱり言葉が
通じないのは痛いな。
それに香港は一方通行や進入禁止が多くて、そこを曲がって、とか指示できない・・・
で、タクシーが着いて、「そこでしょ？」と言われた建物は見覚えがない。よく見たら
ドーセット・シービュー。同じグループだけど違うホテルだった。
また地図を見せて出発。そして「ここかな？」と車が止まったのはイートン・ホテルの前。
結局運転手さんはほかのタクシーの運転手さんに聞いてやっとドーセット・ガーデンに
着いた。メーターは50HKドルを指していたけれど、「30HKドル元でいいよ」と言ってくれたうえ、
何度も謝ってくれた。

それにしても疲れた・・・
部屋に帰ると電話にメッセージありのライトがついてた。聞いてみたけど無言。
かかってくる可能性のある日本人の友達はずっと一緒にいたわけだし、韓国人のHさんとは
さっき話したばかりだし・・・ナゾのまま寝た。

※AL氏については、プライベートでの出席だったので、名前はイニシャルにした。
自身も歌うが、最近ではほかのスターたちの音楽プロデュースで活躍することが多いようだ。
スカパーで香港の芸能ニュースを見ていると、今まで気づかなかっただけかもしれないけれど、
スターが集まるイベントでは必ずいるし、記者会見などでも見かけて、今さらながらにすごい
人と同席させてもらったのだなあ、と感激している。


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