南京への旅 （2000年12月21日--中国滞在1年＆120日目）
★なぜ南京へ？ ★行きの列車で ★南京到着 ★ウソはばれるもの ★ホテル ★南京大虐殺記念館 ★中山陵 ★夫子廟 ★すっかりお疲れ・・・ ★長江へ ★あっという間に帰る時間 ★南京の食べ物 ★最後に南京の印象を
★なぜ南京へ？★
3週間ほど前、食事をしている時に、ひょんなことから昆明（雲南省）に旅行しよう、という話が出ました。
昆明は1年中春のような気候、と言われています。
日にちはHSK（漢語水平考試＝中国語能力試験）が終わった直後から。
ところが、いくら昆明でも冬は結構寒い、と言われ、また距離的にもかなり遠く、
列車の乗り換えはしなければいけないし、全部で40時間くらいかかる、などと聞いては、
それがホントかどうかはともかく、行く気が失せてしまいました。
それでもせっかくだからどこか行こう、ということになって決めたのは南京でした。
南京というと、やはり「南京大虐殺」が1番最初に頭に浮かびます。
そのせいもあって、日本人は歓迎されない町、という印象が強く、敬遠していたのですが、
友達が行って来てよかった、と言っていたので行ってみることにしました。
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★行きの列車で★
天津からは快速で14時間ほど。
行きは天津駅を午後4時05分に出発。南京着は翌朝5時40分。
残念なことに、寝台車の切符がとれず、“硬座”という椅子席になってしまいました。
今まで聞いていた“硬座”は木に薄いシートを張っただけのような座席で、
床も板張り、中国人はタバコ吸い放題、痰を吐き放題、というもので、
ちょっとビクビクしていたのですが、上海行きの快速列車だったせいか、
座席はそれほど硬くなく、座り心地は悪くなかったです。
席は3人がけで向かい合わせと、通路をはさんで2人がけで向かい合わせになっています。
私たちは5人だったので、横一列に5人並んで座ることになりました。
座席はくじ引きにして平等に。
私は3人がけの方の通路側でした。
夕食はカップラーメンでは味気なく、売りに来たお弁当を買って食べました。
私たちの向かいに座ったのは3人とも別々に来た人たち。
1人は同じ天津の外国語学院に留学している韓国人の女の子。
南京、上海、杭州と旅するそうです。
その隣りは常州というところで貿易商をしている中年のおじさん。
息子さんが天津外国語学院の英語科に在学中だそうで、
ご本人も英語ができ、外国人に慣れている様子。
私たちに話しかけるときもすごくゆっくりで、南のなまりはあったけれど、わかりやすかったです。
その隣りは若いサラリーマン。天津の人で無錫に出張で出かけるところ。
旅行すると列車で中国人に話しかけられて・・・という話をよく聞くのですが、
私は今までの旅行では近くの席の中国人に話しかけられたことはほとんどなかったので、
今回が初めてでした。
貿易商のおじさんは、「語学を学ぶにはどんどんしゃべらなくちゃダメだ。話せば話すほどうまくなる」と言い、
私たちが言い間違えをすると、「その場合はこういう風に言うものだ」と親切に教えてくれました。
寝台車両は夜10時になると消灯されますが、硬座では電気はつきっ
ぱなし、それどころか、食べ物の売り子さんたちもひっきりなしにやってきます。
私は眠れた方ですが、友人たちはあまり眠れなかった、と言っていました。
また、駅が近づくと、車掌さんが「ほら、起きて起きて！」と背もたれをたたきながら回ってきます。
これにはビックリ。最初は何ごとかと思いました。
席も最初の数時間はよかったのですが、やはり段々つらくなってきて、
最後には体じゅうが固まってしまったような感じ。
膝も腰も痛くなってきました。
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★南京到着★
5時ごろ完全に目が覚めて、ごそごそと降りる準備をし、5時40分、定刻に南京に到着。
外はまだ真っ暗です。
ホームに下りて、出口に向かう階段でいきなり、
「タクシーか」と客引きが寄ってきたのには驚きました。
そこから改札に向かうまでの間にも、「タクシーか」「泊まるところはあるか」と
何人もの客引きが寄ってきて断るのが大変でした。
改札を出ればもっと大勢の客引きが寄ってきます。
私たちはまず、帰りの切符を買いたかったので、切符売り場を探しました。
中国の駅は出口と入口が別になっているので切符売り場を探すのもひと苦労。
しかも真っ暗なんです（中国は明かりが少ない）。
やっと切符売り場を見つけて、帰りの切符を買いました。
帰りはしっかりと寝台車をゲット。ホッとしました。
その間にも客引きはしつこくついてきます。
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★ウソはばれるもの★
ひとりの客引きが「タクシーに乗るか。××ホテルに行くか」と話しかけてきました。
私たちは5人だからタクシーに乗り切れない、と答えると、
自分のタクシーは大きいから大丈夫、という答え。
その人についてタクシーのところに行くと、普通のセダン車。
後ろに4人ぎゅうぎゅうに詰め込まれました。
私たちが予約したホテルの名前を言うと、最初はわからないようでしたが、
そのうちに「ああ、○○路か」とわかった様子。
「でも、あの道は今工事中だよ。車は入れない」
「じゃ、近くに止めてくれればあとは歩くから」
「道が工事中だからホテルも閉まってるはずだ」
「でも電話で予約してあるから、閉まっているはずはない」
ここまで言ってやっと納得してくれました。
おそらく、最初に言ってきた「××ホテル」と提携していて、
お客さんを連れていくとマージンがもらえることになっていたのでしょう。
その人が運転手かと思ったら、私たちとの交渉が終わると降りていってしまいました。
この人はただ客引きするだけで、運転は別の人がするようでした。
ホテルまではタクシーで約20分。
メーターは21元ちょっとでした。高くてビックリ。
天津では8月までは市内ならほぼ一律10元。8月以降、メーターがついたのですが、
初乗り5元、市内でちょっと時間がかかっても13元ほどで行けます。
あとで見たら、南京は初乗りが7元でした。
その後の加算はどうなのかわかりませんが、距離が短いか、加算額が多いのかもしれません。
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★ホテル★
ホテルは、1ヶ月前に南京に行った留学生仲間が泊まったというホテル。
行ってみると2つ星でした。
チェックインの時には全員、パスポートと居留証を提示して、登記します。
部屋は3人部屋と2人部屋。
5人のうち1人は男性だったので、その人は3人部屋に入ることにし、
あとの4人でくじ引きをして部屋を決めました。
私は2人部屋の方でした。
部屋代は3人部屋が158元、2人部屋が138元、デポジットとして500元要求されました。
チェックインが終わって、とりあえず、3人部屋の方に行って、
切符代などの精算をしてしまうことにしました。
少し休み、精算を終えて、次に顔を洗ったり、お化粧をしたり、と身支度を整えることになり、
出発時間を決めて、私たちは2人部屋の方へ移りました。
部屋に行ってカギを開けると中から音がします。
ビックリしつつ、そっとドアを開けたら、ベッドは起きたままの状態。
バスルームも電気もつきっぱなしで、タオルもバスタブや洗面台に使いっぱなしで置いてあります。
まだ湯気がたっているかと思うほど、むっとした空気を感じました。
音の正体はテレビ。
おそるおそる中に入ってみましたが誰もいません。
前に泊まった人がそのままチェックアウトしてしまったようです。
私たちは不気味になって、きゃーきゃー言いながら、さっきの3人部屋に戻り、
事情を話して、こちらに荷物を置かせてもらい、バスルームも使わせてもらいました。
出かけるときにカギを預けたのですが、その時にまたパスポートを見せるように言われ、
ひとりずつチェックされました。
これは最初に受けつけた人が居留証の番号を控えなかったためらしいです。
それが終わってから、部屋がまだ掃除されていなかったことを伝えておきました。
さて、外出後のことはあとで書くとして、このホテル・・・
観光を終えて8時過ぎにホテルに戻りました。
フロントで部屋の番号を言うと、「その部屋は日本人が予約しているはずだ・・・」と言われ、
またもやパスポートを見せるように言われました（それって私たちのことでしょう！？）。
もうひとつの部屋番号を言ったら、確認できたらしく、結局パスポートは見せなくてすみましたが、
何とも連絡が行き届いていない！ と、ちょっとあきれてしまいました。
それからそれぞれの部屋に戻ったのですが、カギを開けるとやはり中から音が聞こえます。
ドアを開けると朝とまったく同じ状態です。テレビもつけっぱなし。
これには本当に驚くやらあきれるやら。
そのままフロントに行き、朝も掃除してなくて、出かけるときに言っておいたのに、
いまだに掃除してない、と言いました。
フロントの人は謝るより先に、どこかに電話をして本当にそうじしていないのか確認していました。
そこで部屋を換えてほしい、と言うと、別の部屋のカギを投げるように渡してきました。
結局お詫びのことばはありませんでした。
これも中国だから、と言ってしまえばそれまでですが、ちょっと腑におちない気がしました。
それから改めて、換えてもらったほうの部屋に行きました。
こちらはちゃんと片付いていて普通のホテルの部屋でした。
ただバスルームはお世辞にもきれいとは言えず、バスタブがついているものの、
お湯をはって入ろうとう気持ちはわきません。
シャワーカーテンもカビているし・・・。
もちろんもっと汚いホテルがあることはわかっていますが、
それでもサービス業がこんなでいいのかしら、と思ってしまいます。
さらに翌朝、少しゆっくりめに出発するつもりで10時集合にしていました。
私たちが支度していると10時ちょっと前にノック。
開けてみるとホテルのメイドさん。
掃除始めていいですか、と言って、こっちが返事をする間もなく、
入ってきてベッドのシーツや枕カバーを換え始めました。
私たちも出ようにもドアの前にシーツなどを積んだカートが置いてあるので出られません。
掃除が終わるまでずっと待っていました。
まだお客さんがいるのに入ってきて片付け始めるなんて・・・。
しかも前日は、もうひとつの部屋は1日中手をつけていなかったのです。
どうにも合点がいきません。
今回の旅は全体に順調だったのですが、ホテルだけはあまりいいとは言えませんでした。
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★南京大虐殺記念館★
やはり南京に行ったら絶対に見ておかなければいけないもの、
それは「南京大虐殺記念館」です。
場所は南京市内の西側。私たちはバスで行きました。
ゲートからは大きな十字架が見え、そこには「1937.12.13−1938.1」という字が刻まれていました。
中に入ると大きな公園のようになっていて、それぞれのオブジェに、
様々な意味が込められていました。
また、平和を象徴する白い鳩が飼われていて、記念館の上を飛んでいるのが印象的でした。
突き当りには犠牲者の数である（という）「300000」の数字が書かれた塀がありました。
そこから左に曲がって中に入ると、そこはまた別の空間。
そこから見下ろす光景はさながら墓地。
博物館自体、棺と墓石をかたどっているらしく、
周りには南京市内にいくつかある、虐殺の舞台となった場所にある記念碑を模したものが置いてありました。
ここから先は撮影禁止・・・
公園を横切って博物館に入るとまず目につくのは千羽鶴です。
日本からの旅行者たちが置いていったもののようで、
特に高校の修学旅行生たちのものが目立ちました。
それから白骨・・・。
そこで掘り出されたものらしく、しかもつい2、3年前に発見されたもののようです。
土に埋もれたままの状態で、ガラスで囲って展示されていました。
白骨はそれぞれ調べられていて、年齢、性別、死因などがいくつかパネルで表示されていました。
当時、南京に住んでいたドイツ人ジョン・ラーベという人がその頃の日記を発表したらしく、
彼の生涯について、パネル展もありました。
彼の紹介のところには「南京のシンドラー」とありました。
外国人特別地区に避難所を作って、中国人を助けようと外国人たちが尽力したそうで、
その代表者のひとりがラーベ氏だったそうです。
写真やラーベ氏の日記などがたくさん展示されていました。
それから南京大虐殺の史料館。
ここもやはり、写真（いったい誰がいつ撮っていたのでしょう？）、
当時の新聞記事（戦争で高揚していたとはいえ、日本の公共の新聞もこんなことを書くのか、と驚くほどでした）、
当時の軍服や武器などが項目別に展示されていました。
また最後には中国が戦争に勝ち、日本軍の偉い人たちが裁判にかけられ、
みんな死刑になったことで締めくくられていました。
それぞれの説明には中国語、英語はもちろん、日本語もありました。
日本人にも見てほしい、ということなのでしょうか。
私たちはひとつひとつゆっくり見ていたので、気持ちも体も重くなってしまいました。
最後に見たのは「東史郎史料展」です。
東史郎氏は当時は下っ端の兵士で、南京で戦った人でしたが、途中病気のため戦線離脱。
一足先にひとり日本に戻ったそうです。
ひとりだったせいで日記も写真も検閲を受けずにすみ、
すべて日本に持ち帰れたらしく、その後、日記を出版しました。
これは、以前中国人の友人に「日本人が書いたものだけど、日本ではきっと出版されることはないから、
もっともっと中国語を勉強してこの本を読めるようになってほしい」と言われたことがあるものでした。
友人の判断は誤まりで、やはり先に日本で出版されているようです。
今もまだ買えるのかはわかりませんが、
展示されていた南京大虐殺に関する本の中には日本で出版されたものも結構ありました。
日本に帰ってから、もう少し色々読んで勉強しなくてはいけないな、と思いました
（本来なら、ここへ来る前に勉強しておくべきだったかもしれません）。
東史郎氏は日記出版後、何度も南京市を訪れ、謝罪しました。
また、日本では裁判に訴えられ、敗訴し、今では最高裁に上訴中のようです。
壁には大きく「東史郎さん、南京市民はあなたを支持します」という
中国語の垂れ幕がかかっていました。
記念館を出るころには私たちも口数少なく、足取りも重くなっていました。
でも、みんなに共通した意見は、来てよかった、ということ。
本当に今まで知らなすぎました。
このあと、町並みを見ていて、天津や北京でよく見かける小路を入ったところに
平屋の建物が広がる、という光景が見当たらないことに気づきました。
これももしかしたら日本軍の放火の結果かもしれない、と思うと、心が痛みました。
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★中山陵★
気持ちも新たに、次は「中山陵」です。
これは、革命の父・孫文のお墓があるところ。
もしかしたら、孫文の本名が孫中山、ということを知らない人もいるのでしょうか。
実際、一緒に行った友人たちの一人は知らなくて、教えてあげたら
「へえ、そうなの！？」と驚いていました。
中山陵は南京市の東側にある紫金山という小高い山の中ににあり、
南京大虐殺記念館からは少し距離があります。
バスを乗り継いで行きました。
終点に着くと、おみやげもの屋さんが何軒か並ぶ道を通りすぎて、入り口に到着。
そこから中へ入るとすでに広大な景色が広がりました。
なんと、そこで、列車で向かいの席に座った韓国人留学生と遭遇。
彼女は南京大学に宿をとり、今日は夫子廟を見てからここに来たと言っていました。
みんなで一緒に写真を撮って別れました。
さて、目指さなければいけないであろう、孫文のお墓ははるか山の向こうに見えます。
それでもしろい塀に青い屋根という清楚な門や建物をいくつか越えていくのは全然苦にならず、
登るたびに、前を見ると気品ある建物、
振り返ると壮大な自然の風景、と心洗われる思いでした。
孫文は一番上にある建物の奥に眠っていました。棺の上には孫文を
模した白い石像が目を閉じて横たわっていました。
とても静謐なフンイキでした。
写真撮影は禁止でしたが、あとから来た西洋人が写真を撮っていたので、
私たちもこっそり撮ってしまいました。
見終わってから、また階段を下りて出口に着くころには5時になっていました。
中山陵のある紫金山には、ほかにも蒋介石の妻・宋美齢の家、
五重の塔がある霊谷寺など、見所はあったのですが、時間が足りず、あきらめました。
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★夫子廟★
そこからまたバスを乗り継いで、夫子廟へ。
実はここに何があるのかよくわからないまま、
ガイドブックに載っていたこと、夜市が出るらしい、ということで、行ってみました。
確かに夫子廟の回りはにぎやかで、さまざまなお店が出ていて、楽しかったです。
ライトアップもされていたし、水辺ではちょうちんが映えていました。
夫子廟自体には入らなかったのですが、回りのフンイキはおおいに楽しめました。
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★すっかりお疲れ・・・★
夜はみんなで飲み会をするのを楽しみにしていたのですが、
南京ではどこで飲めるのかわからず、結局、スーパーでビールとおつまみを買って帰ることにしました。
これだと1人10元足らず！
ホテルに戻ってシャワーを浴びてから、片方の部屋に集まりました。
ところが、前日は硬座のため、あまりよく眠れず、さらに朝5時半ごろから行動していたうえ、
かなりの距離を歩いたため、みんなすっかり疲れてしまい、
せっかくの飲み会も今ひとつ盛り上がらないまま、12時ごろ解散。
その後、ほとんど口もきかずにすぐに寝てしまいました。
翌朝、がっかりしたことに雨。
10時集合だったのに、メイドさんのせいで部屋を出られず、3人部屋の方に行ったのが10時半ごろ。
ところが、3人ともまだ起きていなくて、結果的にチェックアウトは11時ごろになりました。
その間に雨は上がったので濡れずにすみました。
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★長江へ★
あとひとつ、見ておかなくてはいけないもの、それは長江です。
南京には長江大橋という橋がかかっていて、これは2段になっていて鉄道と道路に分かれているそうです。
さらに歩いて渡ることもできると聞き、ちょっと心が動きましたが、往復3時間。
あきらめが早いのも私たちです。
結局、大橋には行かず、中山埠頭というところから、対岸に渡る渡し船に乗ることにしました。
これは生活用の船で片道2元。船は20分に1本、対岸まで15分です。
船から大橋を見て、また長江の流れに揺られながら、短い水上の旅。
対岸（浦口）に着いて、船を降り、また切符を買って次の船で中山埠頭に戻ります。
以前、済南に行ったときに見た黄河はあまり川幅もなく、
水も少なく、ちょっとがっかりしたのですが、この長江は雄大な中国を感じさせてくれました。
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★あっという間に帰る時間★
中山埠頭からはバスで南京駅まで。
昼食が早かったので（11時過ぎ）、早めだけど夕食を食べることにしました。
夕食は4時から5時くらいでした。
列車は6時ちょっと過ぎに出発なので、5時15分ごろには駅に行って待っていました。
改札はギリギリまで開かず、開いて中に入ったときにはもう列車が来ていました。
今回、初めて中段に寝たのですが、中段は入りづらいし出づらいし、
また身動きもとりにくく、ちょっときつかったです。
とはいえ10時の消灯とほぼ同時に寝入ってしまい、朝までぐっすりでした。
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★南京の食べ物★
さて、食べることが何よりも好きなはずの私ですが、今回、これまで食べ物のことを書いていません。
なぜかというと、残念なことにこれといったものがなかったのです。
着いた日の朝は小籠包。
これは天津にあるニセモノ（「小籠包」と書いてあっても肉まんが小さくなったようなもので、
全然違うのです）ではなく、本物の、中に汁がたくさん閉じ込められている、
あの小籠包でした。これはおいしくて感激！
2月に上海で教えてもらった小籠包の食べ方をみんなにも教えてあげました。
昼食は普通の中華料理。夕食は鍋料理。
翌日は朝食はなく、昼食はマクドナルド、夕食は普通の中華料理。
ただ、いつも頼んでいるのと同じ料理を頼んでも、調理方法が少し違ったりして、それはそれで楽しめました。
それから、ひとつひとつのお皿が小さいのも天津と違う点でした。
そのため、鍋料理の時には最初に頼んだのと同じくらいの量の追加注文をしました。
最終的な金額は天津とあまり変わりませんでした。
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★最後に南京の印象を★
面白かったのは信号です。信号の横には必ず数字が表示されて、カウントダウンをするのです。
青信号の時にはグリーンっぽい色で、それがゼロになると数字も赤に変わってまたカウントダウン。
それから天津でも車道にこちら側は自動車、こちら側は自転車、という標識があるのですが、
南京のは自転車用の矢印は歩道に向かって指されているところがありました。
日本でも自転車は歩道を走るようになっていますが、中国の自転車の量はハンパじゃありません。
しかも南京はミニバイクも多く、バイクも自転車も人もみんな歩道・・・。その歩道だって
広いわけでなく、普通の歩道なんですよ。
これはちょっと危険だと思いました。
最初天津に来たときには、自転車用に一車線とっているのを見てすごく驚いたのに、
今では逆だなんて・・・おかしなものです。
とはいえ、もちろん自転車専用道路のあるところも多かったです。
町全体は天津よりきれいでした。
それは、あまり道端にゴミが捨てられていないせいだと思います。
町のあちらこちらにゴミ箱が置いてありました。
そうすることによって人々の意識を変えていかなくてはいけないのだろうな、と思いました。
もちろん、道端のゴミが皆無、というわけではありませんが。
今回の旅行で一番心配したのは、南京大虐殺について聞かれること。
今まで行ったことのある友人たちはたいてい、そのことについて、
何度か聞かれて困った、と言っていたのです。
私たちには、真剣に語れるほどの知識もなければ中国語力もありません。
かといって「話したくない」と答えたら、それは何か考えは持っているけれど口に出したくない、
という意味にとられてしまいかねません。
「あまり知らないので」と答えるのが一番かもしれない、とみんなで話しました。
ところが、意外にも一度も聞かれませんでした。
ただバスや船の中、駅、レストランの中などで、かなりたくさんの人にじろじろ見られました。
2人以上でいる人たちはじろじろ見ながら何かコソコソ話していました。
直接何か言われたわけではないので、私たちが日本人だからか、
うるさい留学生だと思われていたからか、中国語もろくにできないで、と思われていたからかは
わかりません。でもやっぱりいい気持ちはしませんでした。
唯一、帰りの列車で話しかけてきた人が、友達に「誰かに聞かれたか」と聞いてきたそうです。
この人は南京の人で出張で日本にも行ったことがあると言っていました。
友達が誰にも聞かれなかったと答えると、「ずいぶん南京も変わってきたんだな」との答え。
この人自身は、虐殺について何か聞こうという気はなかったようです。
それから南京と名古屋が姉妹都市だということも初めて知りました。
南京もバスの便がとてもよく、タクシーは最初の駅からホテルまでの1度だけ。
乗り継ぎしなければいけないことも何度かありましたが、
それも同じ停留所での乗り継ぎで、面倒ではありませんでした。
今回の留学で旅行の数はあまり多くなかったのですが、やはり天津だけに閉じこもっているより、
多少でもほかの町を見ることも大切だと思いました。
特に中国は想像もできないほど広い国なので、天津だけを見て中国を語ることはできません。
帰国したあとも、旅行で中国を訪れる機会があると思いますが、
その時にはまた別の土地を訪ねてみたいと思っています。
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