『ヒマラヤ王子』
（原題『喜瑪拉雅王子』 / 2006年 / 中国映画 / 107分）
監督＝胡雪樺（フー・シュエフォア）
出演＝蒲巴甲（プー・バージャ） 宗吉（ゾンジ） 多布傑（ドブジェ）、索朗卓嗄(ソォランゾォガー)
テアトルタイムズスクエア（中国☆上海映画祭）にて
【感想】　チベット版「ハムレット」だそうだ。
全編チベットロケ＆チベット俳優＆チベット語、という映画は数十年ぶりらしい。
チベットの自然が素晴らしい。
俳優たちも東洋的だけどエキゾティックな風貌がなんとも言えない。
「ハムレット」は読んだこともあるし、ハリウッドで映画化されたものを見たこともあるけれど、
あまり内容が頭に残っていない。
同じく去年中国で公開された「夜宴」という映画も中国版「ハムレット」らしい。
監督と主演俳優が舞台挨拶に出てきた。監督いわく、「ハムレット」は復讐劇だけど、この
映画は愛の物語だそうだ。
王子が旅に出ている間に王が死に（毒殺？）、その弟が母と結婚し、新王になるという。
王子にとって叔父にあたる人物が義父となるのだが、その義父が父を殺したらしいことを知り、
さらに父の幽霊が現れて「復讐しろ」という。
復讐に気をとられ、愛する娘の父親を誤って殺してしまい、愛する娘は気がふれてしまい、
もうメチャクチャ。
最後にはすべての真相が明らかになり、そしてクライマックス。
本物の「ハムレット」もこうだったのかな？
これじゃ壮大な一家心中じゃん。この後はどうなっちゃうわけ？　というのが正直な感想。
だからと言って、見なければよかったというわけでもなく、やっぱり見てよかったし、
ちゃんと公開してもいい作品だと思う。
主演の蒲巴甲は新人で、去年偶然スカウトされたらしい。撮影後、今年の中国のテレビ番組
「加油、好男儿」というオーディション番組で優勝して注目された。
なかなか存在感もあるし、演技もよかったと思う。
日本にもすでにファンはいるらしく、会場は彼の応援で盛り上がっていた。
将来が楽しみ。

このページのトップに戻る