『メメント』
（原題「Memento」 / 2000年 / アメリカ映画 / 113分）
監督＝クリストファー・ノートン
出演＝ガイ・ピアース、キャリー＝アン・モス、ジョー・パントリアーノ
シネ・クイントにて

【感想】　またすごい映画を見てしまった！
ストーリーに触れるべきでないだけでなく、その構成についてもあまり
語ってはいけないような気がする。
主人公は、妻がレイプされて殺されて以来、新しい記憶をとどめておけない、
そんな病気になってしまった。
昔のことはちゃんと覚えているのに、ついさっきのできごと、会った人、
話したことなど、まったく覚えていない。
だから、ポラロイド写真を撮る。写真の裏に自分の字でメモを書く。
忘れてはいけないこと、なくしてはいけないことは身体にいれずみで
書き込んでおく・・・
すべては妻の復讐のためだ。
登場人物は少ない。
そして信じていいのかどうか、主人公ともども観客側も疑心暗鬼。
観客も主人公同様、今の記憶だけを見せられる。
主人公と違うのは、主人公がすでに忘れてしまった記憶を再生して
見せてもらっていること。
その見せられ方も、瞬間だけを見せられる。
映画が終わって、あちこちに散りばめられていた記憶のかけらのナゾが
解けるわけだが、それでもわからないところが残っている。
それもきっと、どこかにヒントがあったはず。
リピーターが多いわけもわかる。
「マルホランド・ドライブ」とは違った意味で、だまされた気分。
頭の中はこんがらがっているのだけど、イヤな気分ではない。
ガイ・ピアース、「LAコンフィデンシャル」の役とは大違い。
今回はブロンド、文字のいれずみを散りばめたたくましい身体、
なかなかカッコよかった。
そういえば、この映画もオスカーの脚本賞にノミネートされていたはず。
脚本がうまい映画はやっぱりおもしろい！

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『小説家を見つけたら』
（原題「Finding Forrester」 / 2000年 / イギリス・アメリカ映画 / ？分）
監督＝ガス・バン・サント
出演＝ショーン・コネリー、F・マーリー・エイブラハム、アンナ・パキン
DVDにて

【感想】　同僚からDVDを借りた。中国語/英語の字幕つき。
一応英語の字幕をつけて見てみたけど、結構間違いが多いし・・・
と、これは内容が全部きちんとわかったわけではない、というための言い訳。
なぜなら前半、どうしてなぞの老人（＝ショーン・コネリー）が窓から黒人の
学生たちがバスケをするところを覗き見ていたのか、わからなかった。
でも、老人と若者が知り合って、不思議な友情で結ばれていくのはよかった。
かたくなに外に出なかった老人が、一度若者と一緒に外出し、そして、
若者は、なぜ老人が外とつながらなくなったのかを知ることになる。
そんな老人が、この若者のために自ら外に出て話をする。
何十年も自転車に乗っていなかっただろうに、一度身体で覚えたことは
忘れないものだ、とよく言われるけど、軽々と自転車に乗って走る老人の
姿は爽快だった。
すごいことを何気なく言ってしまう、朴訥とした老人役にショーン・コネリーも
ピッタリ！　
意地悪な教授が、F・マーリー・エイブラハムというのには最後まで気が
つかなかった。
それから、「ピアノ・レッスン」のアンナ・パキンが可愛い女子大生になって
いて何となくうれしかった。
最後の“後日談”みたいなのは必要なかった気がするなあ。
2人で一緒に家路につくところで音楽ならしてクレジット流せばいいと思うけど、
マット・デイモンを出すため？　まさか！

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